シックハウス症候群対策施行

ライフスタイル総合研究所



 シックハウス症候群対策施行

投稿日:2003年07月17日 02:13

 近年、住宅の高断熱・高気密化の増加傾向と比例するようにシックハウス症候群という問題が発生してきました。シックハウスは、燃焼する機器による水蒸気の発生による室内結露などが原因で発生するカビやダニ、建築材料や家具などに含まれる化学物質の発散や換気設備の不備による空気の悪化などが要因でめまいや吐き気、アトピー性皮膚炎などの体調や健康不良の症状を引き起こします。症状の増加に伴い社会問題化されてきたため、昨年、国土交通省より提出された「建築基準法改正案」にシックハウス症候群対策が織り込まれました。平成15年7月1日から施行されます。

 大きくは2つの項目が盛り込まれました。ひとつはクロルピリホスとホルムアルデヒドの化学物質の使用禁止・規制に関する項目。ふたつ目は換気設備の義務づけに関する項目です。

 クロルピリホスとは農業やシロアリ駆除等に使われている有機リン系の殺虫剤で、土台等の木材などにクロルピリホスを塗ったり、含有している建築材料は居室を有する建築物には使用禁止になります。 ホルムアルデヒドとはガス状の有機化合物で、水に溶けやすい性質があります。ホルムアルデヒドが一定の割合で水に溶けたものをホルマリンと呼び、消毒剤や防腐剤などに使用されたり、建材や接着剤等の建築材料だけでなく家具やカーテン・衣類・日用品などにも幅広く使われています。今回、居室の種類及び換気回数に応じて、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建築材料が面積制限を受けることになります。

 具体的には建築材料をホルムアルデヒドの発散速度によって第1種から第3種に区分し、その区分ごとに使用制限が行われます。この区分はJIS・JASの規格にも対応しています。使用制限の内容は第1種は使用禁止。第2種、第3種は使用面積が制限されます。今回新設される上位規格は使用制限がありません。実際には第2種と第3種は混在して使われるケースがあるため居室の種類・換気回数に応じて規制されます。詳しくは使用制限計算式の「所定係数」と床面積に対する倍率の表を建築基準法で確認してください。

  換気設備については、ホルムアルデヒドを発散させる建材を使用しない場合でも、家具などからの発散があるため、原則としてすべての建築物に機械換気設備の設置が義務づけられます。但し開口部・隙間などによる換気が確保されている居室、例えば伝統的な真壁造の住宅でいくつかの条件を満たすものや、1年を通じて空間のホルムアルデヒドを0.1mg/m3以下に保てるなどの認定を受けた居室は適用外になります。天井高の高い居室も換気回数の緩和処置があります。

 天井裏については、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建材にするか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする、のいずれかにしなければならなくなります。



https://www.lifestyle.co.jp/2003/07/post_65.html
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