年金の一元化

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 年金の一元化

投稿日:2006年04月18日 10:53

 日本の年金制度は一定年齢の全国民が加入義務のある国民年金として「基礎年金」があり、その上の追加部分として民間企業向けの厚生年金、公務員や教員向けの共済年金と任意加入ですが自営業者向けの国民年金基金があります。このうち、厚生年金と共済年金を2009年度に一元化することが検討されています。

 年金制度は職業ごとにばらばらに作られたため、公務員の方が後発のサラリーマンより給付が厚い官民格差を生んでしまいました。夫の退職時の年収が560万円で、妻が専業主婦のモデル世帯での現在の受取額は、会社員が月23万円なのに対して公務員は25万円と2万円上回ります。

 今後、退職して年金を受け取る人が急増する一方で、保険料を払う若い世代は減っていきます。共済年金は厚生年金に比べれば余裕があると見られていて、一元化によって財政の悪化をある程度防ぐことが期待されています。共済年金は細かくは国家公務員、地方公務員、私立学校教職員の3つに別れていますが、いずれも一般企業を退職した人が受け取る厚生年金より、有利な点が多いとされてきました。

 「職域加算」と呼ばれる共済だけにある追加年金がありますが、これも減らして、2017年には厚生年金と共済年金を同じ水準にする方向です。統合を機に、遺族年金を受け取れる人の範囲や共済年金への国の補助の廃止などで厚生年金と同じ条件にそろえます。現時点では、厚生年金に比べて加入者の負担が低い共済年金の保険料を引き上げる方向が有力のようです。

 二つの年金が統合された場合、サラリーマンへの影響はあまりありませんが、共済年金の加入者は既得権益を失うことになります。特に教職員の私学共済は財政状態が良く、保険料率も低いため加入者の理解を得られるか、焦点になりそうです。

 仮に2009年からの実施が決まっても、年金制度には多くの問題点が残っています。厚生、共済保険料は、給料からの徴収が可能ですが、自主的に支払うことが前提の国民年金の保険料未納問題は改善されるどころか、収支は悪化しています。

 より大きな問題は、世代格差の是正があります。少子高齢化が進むため、年金の受け取り額を抑えなければ、これからの若い世代は重い保険料に苦しむことになります。

 厚生と共済の一元化はやらないよりはやった方が良いと思いますが、本当の論点は世代間を含めた不公平にあります。現在の65歳の人と生まれたばかりの赤ちゃんでは、将来に受給できる年金総額に60万円以上も差があります。国民年金に入りたくないといって若者を中心に未納者が増えているのもこのためです。

 国民が安心して豊かな老後を迎えられるような不公平感のない年金制度への見直しが急務になっています。



http://www.lifestyle.co.jp/2006/04/post_76.html
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