糖鎖物質

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 糖鎖物質

投稿日:2006年08月01日 15:20

・糖鎖(とうさ)って?
 最近TVや雑誌で「糖鎖」という言葉をよく耳にすることが増えてきました。「糖鎖」とは私たちが生命を維持するために欠かす事のできない必要不可欠な物質です。なじみのある糖鎖としては、ヒアルロン酸も広い意味での糖鎖物質として生体内で機能します。

・糖鎖はどのように作られるのでしょうか?
 普段、私たちは食事により食物を胃や腸で分解して栄養素として代謝・吸収します。栄養素は「糖質・タンパク質・脂質」の3つに分解され、それぞれ肝臓に届けられます。肝臓では糖とタンパク質、糖と脂質が必要に応じて代謝されます。合成された物質は血液を通じて全身の60兆個ある細胞へ運搬され、生きるためのエネルギーや生体防御(免疫)システムに必要な糖鎖物質へと代謝されます。

・糖鎖はどんな働きをするのでしょうか?
?細胞と細胞がこすれ合わないようにするための潤滑剤の役割
?タンパク質の品質管理
?免疫システムやホルモンなど生体防御の伝達シグナル
 様々な役割が解明されていますが逆説的に考えると、糖鎖の異常は細胞同士が傷つきやすくなる、栄養が選択されない、免疫やホルモン異常など、様々な体の問題を引き起こす可能性が考えられます。

 ノーベル賞をタンパク質の分析で受賞した田中幸一さんも次の研究として、糖鎖機能の分析をテーマに掲げています。世界レベルで糖鎖機能を解明することにより、ガンをはじめとする難病に対する新薬や治療方法に糖鎖の研究が注目されています。

・血液型も実は糖鎖の違い
 血液型というと第一に連想するのが性格占いです。しかし私たちの馴染みのあるA型やB型、O型などの血液型の違いは、実は糖鎖物質の構造(組み合わせ)の違いによって血液型が決定されているのです。血液型が不一致だと輸血が出来ないのは、輸血される血液型の糖鎖構造を免疫が不一致と認識し、輸血された血液を拒否(排除)するシステムが働くからです。

 また「糖鎖」はガンなど悪性化した細胞表面に、「特異的な糖鎖」のシグナルを出し、免疫細胞に呼びかける(応答)など細胞認識シグナルとして欠かすことの出来ない働きをします。糖鎖は抗原(免疫や抗体を生産する物質)の中心として働き、免疫は糖鎖シグナルにより機能を開始するのです。

・血液と海藻は同じ成分?
 古くから海水は羊水など体液との一致性について語られてきましたが、特に海藻は私たち人間など哺乳類と共通点が多く存在します。私たちの血液(血漿:液体部分)は水分を除くと糖タンパク質、糖脂質などの糖鎖物質として血液に糖鎖物質が存在しています。一方、海藻も水分を取り除くとほとんどが糖(炭水化物)と塩基物質が結合した糖鎖物質で構成されています。

 特にメカブやコンブには、血液に含まれる糖鎖物質(単糖ではフコース、マンノース、ガラクトース、グルコース、キシロース)が全て含まれています。通常の代謝では、お米や穀類からグルコース、牛乳などからガラクトースを摂取して、肝臓や細胞内の長く複雑な代謝と酵素反応により、フコースやマンノースなど他の糖を作ります。

 つまり、海藻の糖鎖成分には血液型に欠かせない糖鎖物質が最初から全て含まれています。しかし、体へ効果的に吸収させるためには分子を小さく低分子の状態にする必要があります。最近の技術革新により、海藻から抽出したフコイダンを大幅に進化させた健康補完食品の超低分子糖鎖ドリンクも登場してきました。

 生命の進化論から考えると、高等生物が誕生する前の生命の起源はバクテリア類と海藻類が唯一存在していた生命です。起源生物から複雑な進化を辿り、現在、私たちが存在していると考えると、私たちの血液を構成する糖鎖物質と海藻の糖鎖物質が一致していても決して不思議ではありません。糖鎖機能の解明とその応用は、これから未解決の様々な難病への対応策のひとつとして期待されています。

 詳しい資料はライフスタイル総合研究所まで



https://www.lifestyle.co.jp/2006/08/post_151.html
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