アスベスト含浸固化

ライフスタイル総合研究所



 アスベスト含浸固化

投稿日:2007年11月19日 09:31

 人類はアスベストという便利なものを利用してきました。屋根板に用いられるスレートの強度の改善に利用したり、天井やパイプに吹き付けて耐火性能を良くしたりして使ってきました。しかし、このようなアスベストは建材がぼろぼろになったり、吹き付け材がぼろぼろになったりした時、極めて細粒の浮遊塵と化して、人類に対して悪さをするようになります。

 エコベストは、建材や吹き付け材に含浸させると深くまで浸透し、風化が始まった建材や吹き付け材を再度固着させ、最終的には生物にも環境にも無害な珪素でアスベストを包んでしまい、アスベストが粉塵化しないようにしてしまいます。エコベストは青石綿をはじめ他の石綿とも全て親和性が良く、ケイ酸塩鉱物を包んでしまうことが出来ます。

 青石綿を5%程度含む吹き付け材にエコベストを含浸させた後、人為的に粉々に砕きました。非常に細かくすりつぶしながら、最も長いものでも0.1mm以下の長さになるまで砕きました。 しかし石綿とエコベストは非常に親和性が良く、ここまで細かく砕いても依然としてほとんど剥がされず、アスベストはエコベストが最終的に乾燥してできた珪素の中に包み込まれています。

 細粉化することによって、物理的にエコベストとアスベストを引き剥がす事が困難である事がわかりましたので、化学的に引き剥がす事を試みました。細粉化したエコベスト処理済みのアスベストを約1.5モル濃度の強硫酸(多くの場合酸性雨は非常に弱い硫酸)に入れて50度の温度で24時間と96時間強制的に振とう器で振って、青石綿とエコベストを反応させました。

 その後、位相差顕微鏡で観察したところ、珪素の皮膜が青石綿をすっかり包んでおり、ほとんど剥がされていません。この強硫酸との反応実験は、自然に起きる反応時間に換算したら極めて長時間に相当すると考えられます。

 この計算には非常に複雑なパラメーターを必要としますので、現在何十年に相当するとは断定出来ませんが、酸性雨の数千?数万倍の濃度の硫酸に対して、全くと言ってよいほど無反応であります。

 このことは、エコベストがアスベスト含有物を強固に固め、アスベストが粉塵化して、飛散し始めるのをほとんど無限に近いくらいの長さまで延ばすものと判断されます。

 室外や室内の、特に薬品に暴露されるようなことのない場所では、無限の時間といわないまでも、建造物の耐久時間又はそれ以上の間、アスベストが飛散し始めるのを防止するのに十分役に立つと判断されます。エコベストに包まれたアスベストは、屋外の過酷な環境でも飛散し浮遊を始めるまで、20?30年程度は十分にアスベストを包んだままでいると思われます。

 また、現在吹き付け材として使われたアスベストは特別管理品として管理型処分場に廃棄されなくてはなりません。しかし、エコベストで処理した場合、飛散、浮遊しないだけではなく、エコベストがバインダーのようにアスベストを包み互いに固着させます。このことは、エコベストを通常のアスベスト含有建材と同様に扱い、安定型処分場に処分してなんら問題が無いことを示しています。

 国立大学法人 東北大学大学院
  理学研究科 教授 理学博士 藤巻 宏和

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