「リチウムイオン電池」

ライフスタイル総合研究所



 「リチウムイオン電池」

投稿日:2009年09月14日 09:00

 電池には使い切りの一次電池と充電して繰り返し使える二次電池がありま
す。一次電池はマンガン乾電池、アルカリ乾電池、オキシライド乾電池など
で、市場が急拡大しているのは充電出来る二次電池です。鉛電池、ニッケル
カドミウム電池、ニッケル水素電池と発展してきて現在はリチウムイオン電
池が注目されています。電気を大量に詰め込み、一回の充電で長く使えて重
量が軽いのも特徴で、携帯電話やノートパソコンなどに広く使われています。

 しかし、安全性とコストには課題があります。当初の金属リチウム電池は
発火しやすいという欠点がありましたので、イオンを使うことで安全性は増
しましたが、それでも材料の一つである有機溶媒に発火性があるため、加熱
によって燃える危険性が残っています。また、高温下で満充電の状態を続け
ると容量が減ってしまうため、炎天下の駐車場におくことが多い自動車では
克服しなければいけない課題となります。

 コスト面では、電極に使う金属が高く、安価な材料に置き換えられるかが
課題になります。原材料のリチウムの供給はチリが生産量の約40%、埋蔵量
でも70%近くを占めています。チリのほかにオーストラリア、中国、ロシア
などとありますが、産地は偏っていて南米で多く算出されています。南米は
政情の不安定なところが多く、開発にはリスクもあり、石油以上に厳しい制
約を受ける資源となりそうで、安定的な供給が課題となります。

 ガソリン価格の高騰やCO2削減の動きから、自動車メーカーもハイブリッ
トや電気自動車にシフトする動きが鮮明になってきました。三菱自動車が発
売する電気自動車「アイミーブ」は、1回の充電で出来るだけ長距離を走ら
せることを目的にリチウムイオン電池を採用しています。

 1回の充電で約160?走行出来ますから、深夜電力を利用すれば1円で1
?走ることが出来ます。加速性能は同クラスのガソリンエンジンの約2倍で、
走行中は騒音が少なく、停車中はモーターが停止するので騒音も振動もあり
ません。

 世界的な大ヒットになっているトヨタのプリウスのバッテリーには、ニッ
ケル水素電池を採用していますが、同じ大きさの電池をリチウムイオン電池
に変えると重量は200??300?軽くすることが可能になります。

 電気自動車は床下にたくさんの電池を収納しますから、電池メーカーにと
っては非常に大きなマーケットになります。電池の性能を決めるのは材料で
すから、電極など電池の各部分に優れた材料を最適に組み合わせて採用する
ことが決め手になります。

 産業界だけでけでなく、米国やドイツでは国家プロジェクトとして高性能
の二次電池開発に取り組んでいますから、今後はシェア争いが激化しそうで
す。



https://www.lifestyle.co.jp/2009/09/post_342.html
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