プチ新興国

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 プチ新興国

投稿日:2010年01月18日 09:00

 世界経済の新たなけん引役として中南米やアフリカ、アジアなどの「プチ
新興国」が注目されています。経済力ではBRICsのブラジル、ロシア、
インド、中国には及ばないものの、多くの若年人口や豊富な資源を抱えてい
るのが特徴です。資金を海外に頼るリスクもありますが、国際企業は将来性
のある消費市場とにらんで、低価格商品の投入などに動き始めています。

 メキシコ、インドネシア、ナイジェリア、トルコとバルカン諸国が有力な
候補で、MINTs(ミンツ)プラスBとも呼ばれています。これらの国々
は消費をリードする若年層の人口構成比が高く、購買力が高まれば製品の需
要拡大が見込めます。

 例えば、ナイジェリアはサハラ砂漠以南の国では最大となる1億5000万人
の人口を抱えています。国民の平均年齢はわずか18.5歳で、日本の44.4歳や
米国の36.5歳を大幅に下回ります。2009年の実質成長率は3%前後の予想で
すが、2010年には約5%の成長軌道を回復すると見られています。

 インドネシアは、世界的な金融、経済危機からいち早く立ち直りましたが、
やはり、若者の個人消費が経済成長を支える構図になっています。成長期待
から株価指数も年初より7割以上も上昇していて、新興国の中国やインドと
並んで「チャインドネシア」と呼ばれるようになっています。

 EUに隣接するトルコも注目株の一つで、金融危機に伴うEU向けの輸出
鈍化や投資減少が響き今年のGDPは14%のマイナスですが、2010年通期で
は3.7%の成長回復が見込まれます。国民の平均年齢も28歳と若く、今後50
年間は人口増加が見込めるため、個人消費の拡大予想から将来の消費需要を
当て込んだ企業の進出が多くなっています。

 先進国の需要に限界が見え始めるなか、消費を牽引できる若年層の人口規
模が成長力を探る尺度になります。さらに世界的な資源高騰で天然ガスや石
油を持つ優位性も評価されています。また、BRICsとの地理的な近さも
高成長の条件にあげられています。中国やブラジルなどでコスト上昇や消費
の一巡などが起きると、その周辺国に生産拠点や消費市場を求める動きが活
発になります。

 他にベトナム、アルゼンチンや2010年にワールドカップが開催される南ア
フリカ共和国が投資対象にあげられています。W杯や五輪開催をテコに成長
の勢いを持続できるかどうかが世界経済の先行きのカギを握っていそうです。

 英蘭ユニリーバやP&G(米国)、ダノン(仏)やロレアル(仏)などが
積極的に進出しています。日本の企業もユニ・チャームが東南アジアで低価
格の紙おむつを販売、ヤクルトがインドや中南米での乳酸菌飲料の販売を拡
大したり、日産自動車がタイやインドで新興国専用車を販売する予定をして
います。先進国はこういった国々の発展援助や経済投資と共にCO2の削減
や環境問題とも取り組む姿勢が必要です。



https://www.lifestyle.co.jp/2010/01/post_375.html
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