グリーン・ムーブメント

ライフスタイル総合研究所



 グリーン・ムーブメント

投稿日:2010年04月05日 09:00

 米国で地球環境や農業を見直す「グリーン・ムーブメント」が広がってい
ます。金融危機をきっかけに、過剰に消費するライフスタイルから、生活の
足もとを見つめ直すという風潮に社会が回帰してきました。米国にとって新
たな価値を見いだす年になりそうです。

 まず、米国の若者の間で急速に広がり始めているのが農業回帰です。食の
安全性や環境サステナビリティ(持続可能性)に関心が高まり、自分の手で
畑を開墾し野菜を作る若者の農家があちこちに出現してきました。

 農家起業を支援する非営利組織も誕生し、農業や畜産を始めたいという初
心者を対象に、実際の農業の手引きから土地の借り方、資金調達の方法まで
を丁寧に指導したり、実験農場を提供するなど農業を目指す若者を積極的に
支援しています。

 若者たちが立ち上げるのは、耕作地がわずか2?前後の零細農家ですが、
農薬などを使わないオーガニック生産や地元産という新たな価値を売り物に
する手法で注目を集めています。

 一方、オバマ大統領のミッシェル夫人は、ホワイトハウス南側の広大な芝
生庭園の隅に約100平方?程の家庭菜園を作りました。肥満と生活習慣病の
急増といった社会問題の根本的な改善策として、栄養価の高い野菜や果物を
主とした食事の大切さを米国民、特に子供たちに教える食育を目的としてい
ます。

 又、昨年9月から毎週木曜日にホワイトハウス北側の一区画を閉鎖してフ
リーマーケットを開催、ミッシェル夫人が買い物をするなどPRしています。
その効果として、全米各地で開催されるファーマーズマーケットの総数は70
%近くも増え、家庭菜園の普及や野菜の種の売れ行きも増加傾向で、有機栽
培食品の販売も堅調です。

 環境都市を目指すシカゴでは、温暖化ガスの大部分は市内のビル群が排出
しているということから、民間と協力して2020年までに40万棟の建築物をグ
リーン化する計画です。全米で最も高いシカゴの110階建のウィルス(旧シ
アーズ)タワーが約5年かけてグリーン高層ビルへの改修を始めます。

 ひとつはサステナビリティーの向上で、8カ所ある屋上スペースにソーラ
ーパネルを設置するのとビルに吹き付ける強風を利用して風力タービンによ
る電力の供給を行うことです。ヒートアイランド対策としては屋上緑化を進
め、セダムを使った屋上庭園を造ります。

 もう一つは老朽化したビルのエネルギー効率の向上です。建設後40年近く
経たビルは最新のビルに比べてエネルギー消費の無駄が多いため、16000あ
る窓の全てを取り替えて暖房エネルギーの効率を50%上げるほか、給水シス
テムの最新化により年間1億?近い節水の実現を目指しています。

 今年の米国はグリーン・ムーブメントの動きが活発になりそうです。



https://www.lifestyle.co.jp/2010/04/post_401.html
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