チャイナリスク

ライフスタイル総合研究所



 チャイナリスク

投稿日:2014年10月24日 09:00

中国はこれまで世界の工場でした。日本企業にとっても生産拠点を移す第
1候補が中国で、大企業から中小企業まで安い労働力を求めて中国に工場を
建設してきました。しかし、2012年9月11日の日本政府による尖閣諸島国有
化によって起きた中国各地での反日暴動の影響で、日系企業の多くが大きな
打撃を受けました。

製造業を中心とする日系企業は厳しい状況が続いていますので、中国から
撤退して中国以外のアジアに生産拠点を分散する企業が増えています。

中国では、会社を設立するときだけでなく、会社を閉鎖するときにも関係
省庁の許可が必要になります。会社を設立するときには、業種によって審査
する官庁の数は異なりますが、労働局、税務署、工務局など、だいたい7-
8ヶ所の異なる役所の許可が必要になり、閉鎖するときも許可をもらった全
ての官庁から閉鎖の許可を得なければなりません。

それぞれの官庁は自分たちの管轄する範囲で、過去に規律違反によって処
分を受けた際の罰金があるかないかや、税金なども過去に遡って滞納がな
いかを調べ、滞納があれば税金が支払われるまで閉鎖の許可を出してもらえ
ません。赤字続きで社員に給与を払えなくなっても、官庁が認めてくれない
と倒産はできません。

また、会社を閉めるにあたっては全従業員が署名した労働契約終了書を労
務局に提出して、許可をもらう必要があります。中国の労働法では、会社の
都合で労働契約を終了させる場合、会社は従業員に「経済補償金」を支払わ
なくてはならず、保証金の額は本人の平均月給に在籍した期間年数を乗じて
計算されます。

勤続年数が10年であれば保証金として平均月給の10ヶ月分を支払うことな
ります。これは法律で定められた金額ですが、中国人社員は規定通りの補償
金額では労働契約終了に応じてくれませんので、多くの日系企業は規定の額
に上乗せして支払っています。赤字倒産の会社に支払い能力がないといった
理屈は中国の官庁にも従業員にも通用しないのです。

日本では退職すると、社員と会社との関係はなくなりますが、中国では定
年退職者と会社の関係は一生続きます。たとえば高額医療保険ですが、会社
は年間48元(約800円)の保険料を定年退職者が亡くなるまで払い続けなけ
ればなりません。退職者は毎年増加しますので、何十年後には企業にとって
甚大な金額になるのです。


ある日系企業は、中国法人を閉鎖するために数十億円を支払ったといいま
す。在職者に対する経済補償金や、定年退職者に対する保険金など、会社を
合法的に閉鎖するには追加投資が必要になるという事情も中国でのビジネス
を厳しいものにしています。



http://www.lifestyle.co.jp/2014/10/post_737.html
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