「e-ディーゼル」

ライフスタイル総合研究所



 「e-ディーゼル」

投稿日:2015年09月29日 09:00

近年、自動車産業は目覚ましい発展をとげています。この発展をとげている自動車と共に、研究が進んでいるのが新しい燃料の開発です。まだまだガソリンをはじめとする化石燃料の需要が大部分を占めていますが、最近ではエタノールや水素、電気など、様々なエネルギーが自動車に利用できるようになってきました。

より便利で快適に、そして地球に優しい自動車が開発され続けるなかで、日本は水素をエネルギーとした燃料電池車を国策として推進しています。水素は一般的に取り扱いが難しい気体といわれていて、輸送方法やインフラ整備に問題があります。また、水素を生成する過程で二酸化炭素を排出せざるを得ないことも、完全にクリーンな燃料とはいえないと、指摘されています。

そんな中で、ドイツの自動車メーカーのアウディが、空気と水から合成した自動車燃料「e-ディーゼル」を開発しました。e-ディーゼルをつくるプロセスは、まず水を800度以上に加熱して蒸気をつくり、高温電気分解と呼
ばれる方法で水素と酸素に分解します。

次に二酸化炭素を分解して一酸化炭素をつくり、最後に一酸化炭素と水素を合成すると炭化水素ができます。温度が高いほどこのプロセスの効率は高くなり、廃熱を別の目的に活用して、その効率をさらに高めることが可能で
す。

この合成燃料は精製過程で二酸化炭素を利用しますので、硫黄および芳香
族炭化水素を含まずに高い発火性を備えていますから、完全にクリーンな燃
料を創出できます。さらに全行程のエネルギー変換効率は70%を超えますの
で、それ自体が燃料として使用できるだけでなく、ガソリンなどと混合して
使うこともできます。

ドイツは太陽光発電などのグリーン電力が大幅に拡大されていますので、正午ごろに訪れる電力需要のピークはおおむね解消できるようになってきました。ドイツが今後も再生可能エネルギーの利用を拡大していく中、時間帯によってはかなりの余剰電力が生じるようになると予想されます。

今のところe-ディーゼルの合成には相当量のエネルギーが必要になります。まだプラントでの生産は3000リットル程度ですが、再生可能エネルギーの余剰分を利用することができれば、e-ディーゼルは安く供給できるようになります。ディーゼル燃料の合成技術は「グリーン電力生産のピーク時に送電網を安定させる手段」として期待されています。

このe-ディーゼルのような環境に配慮した燃料の開発は、今後世界各国でさらに加速していくと考えられます。日本では、水素を精製する方法や供給するインフラ整備の充実と技術発展が急務のようです。

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