もうひとつのニート

ライフスタイル総合研究所



 もうひとつのニート

投稿日:2007年01月22日 09:32

 ニートという言葉で思いつくのが学校にも行かず、仕事もしていない若者をさすNEETですが、生活習慣病対策にもニート(NEAT)という言葉が使われ、注目されています。ノンエクササイズ・アクティビティ・サーモジェネシス(Nonexercise activity thermogenesis)の頭文字をとったもので、「非運動性活動熱発生」と直訳できます。

 立ったり、歩いたりといった軽い動きを日常生活で頻繁に繰り返すことで、消費エネルギーを増やし、肥満を解消しようという考え方です。軽い食事制限と組み合わせることで、メタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群)対策に有効なことがわかってきました。

 人間の一日の消費エネルギーは、立ち上がる、歩く、じっとしているなど基礎代謝で50-70%を消費し、消化・吸収などで約10%、残りが運動などで消費されます。

 ニートはジョギングやスポーツジムに通ったりすることでエネルギーを消費するのではなく、階段の上り下りや電車の中で立ったりなど日常の生活の中でこまめに身体を動かしたり、姿勢の維持や安静時の新陳代謝など非運動性活動の中で消費される熱量のことを指します。

 米国サイエンス誌に発表された調査結果によると、やせ気味の人と肥満気味の人とではニートの量が違うようで、10日間の行動記録の分析では、肥満気味の人はやせ気味の人に比べて、一日約160分長く座っているそうです。消費カロリーに換算すると350kcalで、ご飯約1杯半分にあたります。

 人間はじっとしているだけでも1時間に約60kcal、睡眠中でも50kcal消費しますが、缶コーヒー1本飲めば約70kcal、菓子パンを一つ食べれば約400-500kcalを摂取しますので、ニートのみでダイエットのような減量効果を期待するのは無理なようです。

 ニートで体を絞るにはやはり、まず食事制限で体重を落とすことが最も重要です。太り気味のままでは立っていることにも疲労を感じてしまい長続きしないからです。
 食事の量と質を改善した上で、ニートを高める習慣を身につけることが生活習慣病を予防することにつながります。普段の生活ではできるだけ揚げ物や脂肪質の多い食事を少なくして摂取カロリーを減らしましょう。

 ニートを高めるには、まずは座らずに立っていることが重要で、電車の中や洗濯物をたたむ家事、読書やテレビも極力立ったまま読んだり見たり、1階分くらいはエレベータを使わず階段を使うなどが効果的です。また、壁を押したりする行為もニートを増やすことにつながりますので、継続的に続けられる方法でニートを増やす努力をしてみてはいかがでしょうか。



https://www.lifestyle.co.jp/2007/01/post_180.html
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