放射線の影響

ライフスタイル総合研究所



 放射線の影響

投稿日:2011年05月09日 09:00

 原発から飛散してくる、ごく少量の放射性物質の微粒子からの影響を避け
るためには、花粉対策の鉄則である「吸い込まないようにする」「接触しな
いようにする」「室内に持ち込むな」を守ることが重要です。では、放射線
の影響を受けた場合はどうなるのでしょうか。

 人間の体というのは60兆から100兆の細胞がつねに細胞を分裂させて古く
なった細胞を新しい細胞と入れ替える「新陳代謝」を繰り返しています。こ
の「新陳代謝」に重要な役割を果たしているのが、細胞の部品図であり、そ
して人体の設計図でもある遺伝子です。ひとたび細胞が放射線にさらされる
と、細胞内では二つの現象が起こります。一つは「活性酸素」の量が通常よ
りも増えてしまうことです。そして、人体にとって深刻なのはもう一つの現
象で、遺伝子やゲノムが大きく損傷を受けてしまうことです。

 遺伝子にはDNAという4種類の分子で構成された2本の鎖があり、向き合
った分子はかならず「AとT」「CとG」がペアになって二重らせん構造になっ
ています。放射線はこの結びつきを切り離してしまう力をもっていて、遺伝
子の配列を壊してしまうことがあり、これがどんどん増えていくと「がん」
になります。まず、遺伝子の欠損がおこると、その部位を修復するような機
構が働きます。二重らせんは「AとT」「CとG」というペアになっていますの
で、片側が欠けてしまった場合でも、その部位が何なのかはすぐに分かり、
欠損を埋めることができます。

 また、両方の結合が損傷を受けたとしても小規模なものであれば、それす
らも修復できるくらいタフなものです。大抵の場合はこれで事は済み、損傷
が残ってしまうことはないのですが、DNAの損傷が大き過ぎたり、箇所が多
過ぎたりすると、修復が失敗してしまうことがあります。こうしたときに、
次の安全装置が作動します。DNA損傷の修復に失敗すると、その細胞の細胞
分裂が停止し、次の細胞分裂に進んでしまう前に、細胞の自爆装置が起動す
るのです。これが「細胞の自殺」と呼ばれるアポトーシスという現象です。

 DNA の修復とアポトーシスという二つの安全装置によって、私達の体はが
んの脅威から守られています。だが、あまりにもDNAの損傷箇所が多くなる
と、 DNAの修復システムやアポトーシスシステムという安全装置自体にもダ
メージが生じてしまい、遺伝子が変異した細胞がどんどん蓄積していくこと
になりますので、普段から免疫力を下げないように気をつけましょう。



https://www.lifestyle.co.jp/2011/05/post_507.html
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