無料のIP電話「スカイプ」

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 無料のIP電話「スカイプ」

投稿日:2004年10月06日 14:41

 ファイル交換ソフトを転用した無料のIP(インターネット・プロトコル)電話の利用者が、日本でも広がり始めています。「スカイプ」と呼ばれるソフトをホームページからダウンロードして利用者登録すれば、マイクとイヤホンを使ってパソコンで電話ができます。同じソフトを持つ人とならば世界中どこにかけても通話料は無料です。

 開発者は、「KaZaA」という音楽ファイル交換ソフトを開発したスウェーデンのニクラス・センストロム(38)、ジャナス・フリース(27)の両氏。KaZaAは音楽業界から目の敵にされ、米国などで著作権侵害で訴えられました。スカイプはそれを電話に応用したもので、KaZaA同様、P2Pという技術を使っています。

 夏井高人・明治大教授(法情報学)は「P2Pの技術を電話に用いるならば、著作権侵害の恐れはなく、KaZaAのように音楽業界などから訴えられる可能性はかなり低いだろう」とみています。またセンストロム氏側は、音声中継は暗号でおこなうので盗聴の恐れはないと言っています。

 センストロム氏らは2003年8月、スカイプという会社をルクセンブルクに設立。欧米を中心に2500万人の利用者がいると言われています。一般の固定電話にかける場合は有料なので、現在はそれが会社の収益になっています。

 日本でもソフトがボランティアによって日本語化され、今年初めから無料で配布されています。日本には同社の社員もいなければオフィスもないのですが、利用者は25万人程度と言われています。

 国内のIP電話加入者はすでに600万前後と言われています。それに比べるとまだ小規模ですが、電話会社のような巨大設備が要らないので、先行企業のビジネスを揺るがす存在になる可能性もあります。

 センストロム氏は、スカイプを使ったIP電話でのインタビューで「スカイプによって現在の電話がなくなるわけではないが、電話会社も自ら時代に対応しないと生き残れない」と語っています。これからの動向に注目です。


スカイプ英語版
 http://www.skype.com/

スカイプ日本語版
 http://web.skype.com/home.ja.html

※P2P(ピア・ツー・ピア):インターネット上で、サーバーを介さずに情報を端末同士で交換する技術。著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪で起訴された音楽ファイル交換ソフト「ウィニー」の作者も、この技術を利用していました。



https://www.lifestyle.co.jp/2004/10/post_137.html
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