世界最大の振動実験施

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 世界最大の振動実験施

投稿日:2005年04月16日 10:42

 今年1月に世界最大級の振動破壊実験施設「E?ディフェンス」が兵庫県三木市の独立行政法人、防災科学研究所・兵庫耐震工学研究センターに誕生しました。阪神大震災級の大地震を人工的に起こすことができる世界最大の実験施設です。E?ディフェンスは阪神大震災で構造物の安全神話が崩れたことを教訓に建設されました。阪神大震災では設計上安全だと思われていた阪神高速道路の橋脚なども倒壊しました。コンピューターによるシュミレーションや模型を使った実験でデータを集めて設計をしていましたが、この都市を襲った巨大地震の激しい揺れに耐えることができませんでした。

 実物大の構造物を実際の地震と同じように揺らして、構造物が壊れる過程を分析する振動破壊実験施設の必要性が認められ、今回の建設にいたりました。それまでは、本物の地震と同じように三次元で構造物を揺らせる震動台は、独立行政法人・土木研究所の縦8?、横8?、震動台に載せられることができる構造物の質量も最大300?でした。

 E?ディフェンスの震動台は縦15?、横20?で最大1200?の構造物を3次元で揺らすことができます。1月のお披露目では十年前に起きた阪神大震災を再現する実験が行われました。当時、神戸海洋気象台で記録された阪神大震災のデータが24本の加振機に送られ、震動台を前後、左右、上下に揺さぶり、震動台に建てられた木造2階建ての家屋を激しく揺さぶりました。震度は7相当で、時間は約10秒間でしたが、現行の建築基準法の耐震性能を満たす耐震壁が使用されていたため、家屋は倒壊せず、外壁の一部が破損したり、ひびが入ったりする程度ですみました。

 十年前の阪神大震災で現行の耐震設計基準を満たしていた建築物の被害が少なかったデータを裏付ける結果となりました。今後の実験は9月以降、建て替えなどを予定している人から築20年以上の家屋を譲り受け、破壊実験を行う予定になっています。また、高さ18?、6階建ての鉄筋コンクリートのビルや橋梁などの実験も計画されています。住宅メーカーなどからの受託研究や共同研究も行い、日本の耐震住宅の開発やビルの耐震設計にデータが生かされることが期待されます。



https://www.lifestyle.co.jp/2005/04/post_21.html
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