敷金・礼金ゼロ

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 敷金・礼金ゼロ

投稿日:2008年03月19日 09:31

 最近、敷金・礼金ゼロで借りられる部屋が都心部を中心に増えています。敷金とは、賃貸借契約を結ぶときに賃料など賃貸借の債務を担保するために預ける金員を指します。賃料の滞納や、部屋の破損など万一の備えとして家主に預けておくお金を意味します。明け渡しの際に部屋の破損があれば、部屋の修理代として敷金から差し引かれたり、現状回復として控除されることがあります。

 礼金とは、賃借する際に家主にお礼として支払う金員をいいます。礼金は特に法律的には明文化はなく、当事者がどのような意志で授受したかによって決まり、曖昧な場合には合理的に判断して賃借権の権利金の一部と考えられているようです。

 敷金・礼金ゼロ物件が増えた背景のひとつには、賃貸物件の着工戸数が2001年以降毎年増加していて、2006年度では新たに53万個が着工されるなど、賃貸物件の供給過剰があげられています。また、最近増えた不動産投資ファンドの影響を指摘する向きもあります。不動産ファンドは運用利回りを高めるため、空室を最小限に抑えようとする向きがあります。敷金・礼金をゼロにすることで、少しでも入居率を高めようとするファンドも増えてきています。

 ただ、敷金・礼金ゼロの物件は、地域の相場より高めだったり、築年数が古かったりするケースもあります。また、東京などの大都市では敷金・礼金といった慣習を理解できない外国人が増えたことも要因のひとつです。

 茨城県のつくば市でも留学生や研究機関に勤める外国人の入居を受け付けないと不動産仲介の仕事が成り立たないところもあり、英語や中国語に対応できる社員を採用しています。韓国人などの多い東京都新宿区の大久保でも、外国人の入居なしではアパート経営が成り立たない状況です。外国人向けに家具付きで月額家賃だけの賃貸マンションを提供する不動産業者も出てきています。

 経済連携協定の締結に伴って外国人は今後も増加が予想されることから、不動産業界では外国人を積極的に受け入れていく動きが広がるとともに、敷金・礼金ゼロ物件が増えそうです。



https://www.lifestyle.co.jp/2008/03/post_251.html
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